SAYONARA 2011(4) 大輔

SAYONARA 2011に投稿を頂きありがとうございました。
皆様の原稿を拝読しながら、今年多くの人が味わったであろう「喪失感」が、今の日本全体を覆っているのだな、と感じました。

個人的には3月に義父をがんで失いました。

その葬儀の日の朝(日本時間の午後)東日本大震災が発生。
戦後最大の惨事となり多くの命が失われてしまいました。

福島第一原発の事故では、日本の科学技術への信頼、
政府・民主党への信頼、
正しい放射線被害について伝えないマスメディアへの信頼が失われました。

毎日食べるコメや肉や魚や野菜への信頼も失われました。
呼吸する空気や水道の水まで、
原発だけでなくあらゆるものの安全神話が失われてしまいました。

誰もが苦労して手に入れた土地や家屋でさえ、
放射能汚染によってその資産価値が失われつつあります。

円高で日本企業の貿易収入や個人の外貨預金も資産価値が失われました。
不況で多くの人の仕事が失われました。
生き残りのための生存競争の中で仁義や友情までも失われてしまいました。

子どもたちの将来の夢や、明るい未来への夢も失われてしまったように感じます。

高田純さん、原田芳雄さん・・・縁のあった方々をも失いました。

いま2011年にSAYONARAするにあたって、じっと両手を見ながら考えると、
すくい取った浜辺の砂がさらさらとこぼれ落ちていくように、
なにもかもが失われていくような「喪失感」を感じざるを得ません。

でも、たとえ2011年にSAYONARAしても、人生と家族と仲間たちにSAYONARAするわけではありません。あらゆるものを失っても大切な人たちとの絆は失われなかったはず。困難な状況の中で新しく知り合った友人や、新しく獲得した知恵や力もあるはずです。

明日からもそれぞれの人生が続きます。
2012年が皆様にとって「希望」の年になるように願って、僕からのSAYONARA 2011といたします。

なお、原稿は引き続き募集いたします。
ただ、明日からは再生への希望をこめて、新企画「KIBOU 2012」を始めたいと思います。

鎮魂から再生へ。
2年目を迎える荻大ノートで「新年の抱負」を語り合いたいと思います。
どうぞ皆様の原稿をお寄せください。

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